敷金トラブルは減る?民法改正へ!
敷金トラブルは減る?民法改正へ!
(※こちらは2015年当時の記事です。)
敷金のルールが民法に定義されるもよう
礼金は、新築でもない限り多くの賃貸物件でゼロを見かけるようになりましたが、一方、比較的まだ残っている敷金のしきたり。
そしてトラブルの種がひそむ。
私たち(入居者)が出すお金なのに、業者側が判断する使途不明な雰囲気に投げ込まれるんだから、そりゃトラブルになっちゃうし大なり小なり不満は出ますよ。
敷金ってものはなんだったか改めて
アパートやマンションなどの賃貸物件に入居するとき、家賃額の1から2ヶ月分くらいの金額を「預けておくかたち」で、入居者が不動産仲介業者(あるいは管理会社か大家に直接の場合もあるかな?)に渡すお金が「敷金」ですね。
何のためのお金か、細かくは個々の契約書に記載されている通りですが、ざっくりとこんな認識でスタンダードなしきたりになっています。
・家賃の滞納や夜逃げ状態になった時、補填するお金として大家や業者が受け取るんでしょう。もう払う人はどっかいっちゃいましたし。
・退去の時、なんでこんな住み方してたの?ってくらいの破損や汚れや故障を直す費用かかったら相殺するんだろう。10万円くらいかかっちゃったら、退去する人に一気に請求はしづらいし。請求しても払わずにどっかいっちゃうかもしれないし。
・退去後のクリーニング(清掃)に使うんでしょう。住んで使ってあなたの汚れでしょ。立つ鳥跡を濁さずってね、あなた(入居者)のお金で綺麗にしてねってなもんです。
要するにもしもの時のために、あらかじめ入居者のお財布から大きい金額を宙に浮かせておいて、大家側(業者側)が使えるようにしてるような感じですかね。
もちろん入居者側から、減額の要望や用途の限定を依頼してもムダ。
よっぽどの交渉玄人じゃないと、つっぱねられたり、了解したように見せつつ他でお金ふんだくられます。
敷金トラブルはなぜ起こるのか
私も嫌な思いをしているうちの一人なので、文章がきつめになってますが。
むしろ逆に、初めっからこれ手数料でウチが、お礼金としてウチが、って明示して、これ飲んでもらって契約です。ってしてればトラブルにはならないのにねえ。
細かく説明する必要は無いと思ってたり、ごまかすってのがダメなんじゃないかしら。
要は現在まで「慣習」として個々お好きな解釈で「その道の専門家であるところの不動産業者」が決めた方法で運用されてきた感じですね。
しかも輪郭はぼんやりしていて、ケースバイケース。説明がころころ変わる。ってのもザラにありました。
敷金は、入居者の反発を受けない程度に不動産業者が好きなようにするのが当たり前、という感覚は確実にあると感じます。
私の記憶にある大家や仲介業者は、半数以上が私をイラッとさせましたが、訴え出るほどのパワーは私にはありませんでした。それほどの金額でも無かったし。
しかし私の主観ですが、(時間や労力、精神力などの)パワーさえあればいくらでもトラブルに発展する不透明さと一方的なしきたりだと思います。
不透明なので、騙そうとしていると感じることもある。
そりゃあトラブルになります。
万事解決とはいかないけれど、輪郭は整うかも
そこでこの度、民法改正にあたって敷金のルールが定義される方向で固まりつつあるようです。
今までも対面上言われてきた「通常使用による汚れや経年劣化の原状回復費用には使われない」というお題目も、実際運用されるルールに入りそうです。
まあ結局どの程度履行されるかは信用出来ないし、通常使用って何なのかも争点になりそうですが。
とはいえ、口ばっかりの「東京ルール」や、初めから逃げ腰じゃないか!的な「ガイドライン」より、民法で定義されるというのは是正というか状況が整うのに一役かってくれそうです。
果たして引越し費用は安くなるのか
注目するのは、引越しにかかる費用が安くなっていくのか、という所。
まあ現実的には結局、大家と不動産業者は「敷金からの収入」が減ることになった場合、さて次は何の項目でお金を取ろうかなって事になると思います。
今までがおかしい部分があったお金なのに、これから損するじゃん、と思っていそうですし。
まさに今、賃貸業界内は、それについて法律家をまじえて必死に試行錯誤しているんじゃないでしょうか。
普通に日本中いっせーのせで家賃上げるんでしょうかね。
便乗値上げのために、消費税10パーセントになる日を心待ちにしているかも知れませんね。
それでもね、明細も渡されない謎の金額を突然請求されるより遥かに良いですよ。家賃ならば事前に吟味出来ますから。
最後に、まっとうな大家さんと業者さんへ
数回一人暮らしで引越しした経験がありますが、私にはなかなか出会えていないまっとうな大家さんと業者さんへ。
こんな文章の切り口で本当にごめんなさい。
一番良いのは、良心的な大家さんや不動産業者さんに出会うことですよね。
私もそういう人生でありたい。